所在地:千葉県・市原市
主要用途:美術館
延床面積:2,400 m2
敷地面積:11,300 m2
千葉県市原市の湖にほとりに位置する美術館の改築計画。
薄い細い紐のような帯が既存建築物を取り巻いて展開する。
帯は既存建築物の屋上から地上レベルの庭園、さらに湖の畔までを上下レベルを変動させながらつないだり、一部は美術館館内へとつながる帯となり人々はその上を回遊する。回遊する中で、視界を、山を見渡したり、丘を見渡したり、湖を見渡す、といったように様々な景色が流れていく。美術館の展示の様子や庭園での戯れ、イベント、カフェの様子をいろいろな角度から見渡す。
・建築計画と採光計画
プランニングとしては、既存建築物の軸となっていたエントランス部分をパブリック動線とサービス動線とが混在し、不便性を感じることから、北東側に移動し、サービス動線を円弧外周に配置し、両動線の混在を回避した。
また、エントランス部分に動線を集中させ、分散して多目的ホール、分離されたカフェレストラン、中庭や回遊デッキにアクセスできるようにした。美術館内は常設展示室と企画展示室とで共有のエントランスホールをゲート内に設け、それらを棟で分離し地下からアクセスできるようになっている。これら地下の空間や各棟の間には大きく、屋外展示スペースやイベントギャラリースペース、水盤などで、各棟採光が十分に取れるようになっている。また、ファサードに用いた大小の円形のアルミの群集により、採光の調整・遮断、湿度の調整を行う。また、多目的ホールは中庭部分、イベントギャラリースペースと開放的に連続的に使用
することもでき、同様に地下の常設展示室も地下の屋外展示スペースと連続的に使用することができる。
・既存構造体の保存
既存建築物を尊重し、それらを柔らかく覆い包み込むように回遊性のある屋根面で覆う。
既存建築物における構造体は、基本的に全面的に保存、中庭に面したアトリウムの階段部分のみの改修と、増築のみで改修にかかわるコストを最大限に削減し、既存建築物を活かした方向で地域住民・来訪者に利便性と機能性を兼ね備えた器を周囲に馴染むように配置した。
・設備計画と構造計画
アルミの大小さまざまな大きさの円で構成されたファサードは、季節・天候・展示物により、採光をゼロから100 まで調整・遮断する。アルミ管をつないだ外皮によって壁面を覆うことで、既存構造物をファサードで補強し、屋上の積載荷重に対応させた。アルミ管の直径は40,36,30,26,20cm で、奥行きは40,36,30,26,20cm。外皮によって作られる日陰によって、壁面に対する直射日光を調整、遮断される。
また、アルミ管と壁面の隙間を空気が通り抜けることで、壁面の輻射熱を抑え、空調の負荷を低減することが可能となる。この外皮を建築に取り込むことで、表面温度、室内温度が2 度から10 度下げることができる。
また、アルミ管内を通る水により、湿度の調整を行う。これらの壁面は視覚的に空間を分断し採光を遮断し、また、外部に開放的にし、採光を十分に取ることが自由に対応できる。






