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Kotaro HORIUCHI featured French web site french code published on 27th November 2009.

[published contents in Japanese]
建築家、堀内功太郎さん。彼のアトリエは誰もが羨むサン・ルイ島の、かわいい中庭のある建物にある。このほか出身地である名古屋、東京の下北沢にも事務所がある。
「なぜパリを仕事の本拠地にしたんですか?」と質問し、「パリは歴史的建物がたくさんあり、街並みも美しく触発されるから」というような答えを予期していた私は見事に裏切られた。「ここに仕事があるから。別にパリにこだわるわけではない」
堀内さんの答えには何度も意表を衝かれ、教えられることも多い。

定義できないスタイル
堀内さんは1978年生まれの31歳。明治大学大学院理工学研究科建築学専攻、修士課程在籍中よりMecanoo Architecten(オランダ)にて勤務。
2003 年ロッテルダム国際建築ビエンナーレに個人作品が選考される。
ロンドンのAAスクール建築学校にてアシスタントを行う。
修士号を取得し、2004 年再渡欧。チューリッヒの都市調査後、PPAG Architekten( オーストリア)を経て2005 年よりフランス国立図書館の設計等で知られるドミニク・ペローの設計事務所DPA-Dominique Perrault Architectureにて勤務。数多くの設計を担当し、世界各国での建築設計の経験と仏伊独英の言語を習得する。
DPA 在籍中よりパリにて個人設計事務所を設立し、設計競技(コンクール)および小規模な建築等の設計活動を始める。2009 年6月5日DPAを辞職し、同月11日独立。
建築のことには疎い私が聞いても、若くして貴重な経験を積み、独立した人だとわかる。
でも目の前にいる堀内さんはそんな“エリート”っぽいところはない。頭の中は設計のイメージで一杯で、それを形にしようとしている、という印象。
「堀内さんの設計する空間を言葉で表現すると?」と尋ねると「建築は空間体験なので言葉では表せない。より良いものを目指してただひたすら作り続けているだけです。」

睡眠2時間
現在手がけている名古屋の葬儀場の他、ギリシャの集合住宅、台北のコンサートホール(7,5ヘクタール)、銀座のブティック・・・月に2本、設計競技にも参加している。
現在進行形のパリのチーズ屋さんは階上にレストランもあるコンセプト。階段の案だけで250通り作ったという。「そんなことしたら足が出ませんか?!」と思わず言うと、「ビジネスやろうと思ったら建築はできませんよ」と堀内さんはニッコリ。
独立後の睡眠時間は2時間、「でも日本の大体のアトリエ系建築設計事務所は、みんな寝泊りして24時間体制の勤務。フランス人はそれをやらない。前にいた事務所でも、定時になると殆どの人が帰る。でもそのほうが効率がいいことに気がついた。ずっと時間があると思うとダラダラしてしまうけど、夜8時で終わらせようと思うと集中力が違う。」 だから研修生たちにも20時で帰るように伝えてある。世界中から集まった選りすぐりのスタッフと10人の日本人研修生。研修生は無給なのに、終電時に帰るよう言わなければ朝まででも帰らない。堀内さんのアトリエで経験したいというモチベーションの高さをうかがわせる。

好きな建物は・・・
世界中の主要な街は殆ど見て歩いたという堀内さん。好きな建築物は?とたずねたら、考え込んでしまった。「じゃ嫌いな建物、美しくないと感じる建築物は?」「それは沢山あるけど・・・書かないで欲しい」そう言われると余計知りたくなる!
一方好きな建築物は考えた末「自分が現在つくっている最中の建築。他の方々の建築や自分の過去の作品から得るものを得て、自分は今のプロジェに最善をつくして、よりよい物をつくろうとしています。だからつくっている最中の建築が一番良い建築だと思っていて、ただその建築も次の建築の設計を始めると、その設計過程の中で得たことを次の建築に常に反映しようと思い、次の建築、つまりそのとき考えている建築がやはり自分の中で最も良い物だと思っています。」という答え。この答えをインタビューの最初に聞いていたら「すごい自信家」と思ったかもしれないが、彼の経歴を知り、会って話すと、裏づけのある言葉だ。

無秩序と不動
以前インタビューしたフランスの建築家の「パリは美術館だ」というせりふが印象に残っている。美しいが、何も変わらない、動かない。東京は絶え間なく変化する、新しく建った建物自体は未来的で美しいが、全体の調和はない。堀内さんの意見を尋ねた。
日本は混沌無秩序な都市形態。建築の単体規制はあるけど、都市、つまりアーバンヴォイドに関する規制は少ない。(詳細論文: 都市空間におけるヴォイド空間の指標化に関する研究 —可視領域の視点・視対象間距離別視野占有率と環境視空間ヴォリュームによる分析— 2004年 堀内功太郎 参照)
パリは、歴史的建造物がある半径500m内で建物の規制がある。看板の幅や位置まで決められている。半径500mの円を描いていくと、パリが全部カバーされる。場所によってはいくつかの円が重なっている。全然知りませんでした。
つまりこの先も日本の都市は無秩序に変わり続け、歴史あるフランスの都市は10年後に訪れても変わっていないというわけだ。そこに住み、歩いたり眺めたりする者にとって、パリの街は確かに美しい。しかし作る人の視点はまた違うようだ。

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